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企業ルポ
宮本工業 株式会社
「技術と創造で躍進」
~91年の歴史と確かな実績に裏付けられた
冷間・温間鍛造加工、衝撃押出加工のパイオニア、コスト力、高品質を武器に新たな市場開拓を目指す~
代表取締役社長 宮本 尚明 氏
創業からの歩み
各種表彰状と主力製品
創業は大正7年、東京の駒込にて金属押出チューブの製造を開始。昭和20年4月、軍の命令により栃木県船生に疎開。昭和31年4月、「衝撃押出加工の研究と実用化」により大河内記念技術賞受賞。昭和39年5月、アルミ合金の冷間鍛造品の製造開始。昭和45年5月、拘束剪断機の開発で日刊工業新聞十大新製品賞を受賞。昭和53年2月、VTR部品の冷間鍛造生産開始。昭和63年11月、自動車部品の本格生産開始。平成2年2月、切削加工の本格生産開始。
平成6年10月、背圧精密鍛造技術の開発に成功。平成12年8月、マグネシウム・ステンレス鍛造実験成功。平成13年6月、「独創的研究成果共同育成事業」採択。平成14年11月、二輪ピストン量産開始。平成18年、日本塑性加工学会最優秀鍛造技術者賞を受賞。平成19年、元気なモノづくり中小企業300社に選出される。平成20年、栃木県より「フロンティア企業」の認証を受ける。
その他、平成6年から平成20年までにアルミニウム鍛造委員会・技術会の特別技術賞等を5回受賞する。
創業当時から、大正、昭和、平成と、その時代、時代、世の中の流れ、顧客ニーズにタイムリーに対応する製品を生み出してきた。現在の代表者は、本年1月から4代目の宮本尚明氏である。
宮本氏は、就任当時から、「他社にできないモノづくり」をスローガンに経営を進め、その研究開発力は業界屈指である。また、6月には、東京ビックサイト(機械要素技術展内)において開催された「とちぎ中小企業新技術・新製品展示商談会」に参加。8月には、経済産業省・中小企業庁の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」の第1回の採択を受けるなど、常に積極果敢な経営を実践している。
事業内容
サーボプレス(コマツ製630t)
(1)モノづくりへのこだわり
宮本工業の特長の一つは、製品の「金型」を自社で作成しているという点である。鍛造品の命とも言える金型に、工程設計、材料選定、加工などのノウハウを導入し、製作している。金型製作に関しては、事前設計(CAE解析)を駆使し、トライ&エラーの軽減、ノウハウの蓄積を図る取組をしている。
また、シミュレーション解析による、流動解析や、破壊試験との融合による金型強度解析などを実施、製品も※EPMA・※XRF等、必要に応じて、あらゆる解析・分析を実施し、品質向上に取組んでいる。そして、QCサークル活動、6S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、セーフティ)活動に積極的に取組み、平成11年に「ISO9001」を取得。品質管理では、3次元測定器、輪郭測定機、各種顕微鏡、検査ロボットなどで製品外面だけでなく、内部組織まで考慮し、常に顧客の品質要求に応えている。
※EPMA…電子針微小部分析装置
※XRF…蛍光X線分析装置
(2)時代のニーズを捉えた先進的な製品開発
衝撃押出加工により絵具・接着剤等のチューブを国内で先駆けて量産化、「セメダインC」のロゴが入ったチューブは、現在も一手に引き受けている。
精密・光学機器では高精度かつ大量生産が求められるなか、アルミニウム製のカメラレンズの鏡筒は国内で初めて実用化した部品である。環境対応、運動性能等の観点から自動車に求められる部品の軽量化を非鉄鍛造(アルミニウム、マグネシウム等)技術で実現している。特に人命を預かる輸送機器の部品には、何よりも品質管理が求められている。現在、ホンダや川崎重工業の2輪車、4輪車のエンジンピストン部品、防振ゴム金具部品なども手掛けている。2輪車のピストン部品では独自の自動生産ラインにより、品質安定と歩留まり向上を図っている。
(3)R&Dで冷間鍛造加工を高付加価値化
いままでは、作業者の経験と勘が物を言う冷間鍛造の世界に、業界に先駆けて金型事前設計(CAE解析)を取り入れ生産リードタイムを短縮させる。
併せてCAD―CAMシステムやマシニングセンターの導入により、加工精度の大幅な向上を達成。自動車部品で最も重要とされる短納期化(最短で、出図から7日、他社の1/5の納期で納品可能)を実現させた。
今後の取組み・これからの経営戦略
船生工場全景
以上のように、鍛造成形にはさまざまな技術が必要となる。最近ではユーザーからの要求も高度化し、高強度化、形状の複雑化、各種機能特性の向上などが求められている。従来であれば十分に顧客の満足を得た品質レベルでも通用しなくなり、コスト的に合わない場合も発生している。特に各種部品の現地調達化はますます増える傾向にあり、完全にグローバル競争の時代に入っている。これからは海外進出も視野に入れ、企業間ネットワークを構築し、さらなるコストダウン、他社の力も結集して、付加価値の創造を図るための経営努力が必要となる。そのためには、チームワークを高め、全従業員95名がそれぞれの配置でベストを尽くす、一枚岩の組織力の構築を目指している。
いままで、「社会に役立つこと」、「品質にこだわること」がモノづくりの重要な要素であると考え実践してきた。これからもそれは変わらない。新導入のサーボプレス(コマツ製630t)を武器に、輸送機器にとどまらず、新素材(マグネシウム、チタン等)、新工法(複合鍛造等)の研究開発も継続的に推進している。電池ケースや、環境機器分野、医療機器分野、ロボット市場などの新規分野への参入を目指している。
| 代表者 |
: |
代表取締役社長 宮本 尚明 |
| 船生工場 |
: |
塩谷郡塩谷町大字船生9133 |
| 本社 |
: |
東京都千代田区九段南2-4-10 宮本ビル |
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